喘息の吸入薬は続けた方がよいの??|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

〒257-0006神奈川県秦野市北矢名1309-1 ハレクラ二1F
0463-73-8231
ヘッダー画像

医療コラム

喘息の吸入薬は続けた方がよいの??|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

喘息の吸入薬は続けた方がよいの??

喘息の吸入は、ずっと続けた方がよいの??

 

外来でよくある質問で、「喘息の治療って、いつまで続けるの?」、「症状がよくなったので、もう治療は大丈夫ですよね?」というものがあります。

 

今回、この質問について考えていきたいと思います。

 

喘息は、もともと気管支に慢性的な炎症があり、そこになにかしらの悪化要因(風邪などのウィルス感染、花粉、ダニ、ダスト、天候、気圧、寒暖差、大気汚染など様々あります)が加わり、咳、息苦しさが生じる病気です。

 

大事なことは、もともと、気管支に炎症という知覚過敏のような状態が存在していたということです。いつも、風邪をひくと咳が長引く、同じような季節に咳が出る、などは、もともと気管支に炎症があるからこそ生じる病態なのです。風邪をこじらせて咳が長引いていたわけでもないのです。

 

喘息の症状に対して、吸入ステロイド薬などを投与して治療を行います。

 

治療を行い、少し炎症が改善し、なにかしらの悪化要因がなくなると症状は改善してきます。そうすると、「先生、咳も良くなったので大丈夫です。もう薬はいらないですね」となってしまいます。実際に、自己判断で薬をやめても症状が出ないこともあり、薬をやめる方もいらっしゃいます。

 

では、実際に薬をやめてもよいのでしょうか??

 

先ほど、喘息は、もともと気管支に慢性的な炎症があると書きました。薬をやめると、この慢性的な炎症がずっと続いてしまうのです。

 

この慢性的な炎症を放置すると、気管支の壁が厚く、硬く変化し、元にもどらなくなり、頻回に咳や息苦しさが生じる状態になってしまいます。たとえば、肌に湿疹があり、ずっと放置していると肌が硬くなり、分厚くなってしまうのと似ています。これをリモデリングと呼びます。

 

 

 

https://www.naruhodo-zensoku.com/treat/iydnt.html

 

そして、この状態になると吸入薬などでは簡単に症状がとれないので、ステロイドを内服や点滴で頻回に使用したり、抗体薬などの高額な注射などが必要になってきます。

 

このような状態になった患者さんがお話しされることは、下記のことが本当に多いです。

 

・先生にステロイドの吸入薬をしっかり使おうと言われてきたけど、我慢すれば治っていたし・・・・

・普段から咳があったけれど、そんなもんだと思ってあまり気にしなかったかな・・・・

・風邪ひくと咳が長引いていたけど、そんなもんかなって思っていた・・・・

 

喘息の患者さんは、ご自身の咳、息切れなどの症状を過小評価することがとても多いです。

 

このような難治性の喘息に移行しないように、喘息の吸入薬は続けた方がよいのです。

11回の吸入薬などいろいろな種類がありますので、是非ご相談ください。