冬場の血圧
- 2023年10月19日
- その他
こんにちは。
院内薬剤師の藤井です。
今回は血圧についてお話ししたいと思います。
血圧とは
心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力(圧力)を示します。
血圧は、血液の粘度や、血管の弾力性、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)などによっても変動します。
血圧は1日のうちにも変動します。主に 寝ている間が最も低く、朝起きてから上昇を始め、 日中は高く夜になると下降し、日内変動がみられます。
また、季節によっても夏は低く冬は高いという季節変動や、 月曜日の朝は血圧が最も高く金曜日の就寝前は最も低いという週内 変動などの現象もみられます。
①収縮期血圧
収縮期血圧とは、心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出すときの血圧のことをいい、一般に「上の血圧」「最高血圧」 などと呼びます。
②拡張期血圧
拡張期血圧とは、血液が心臓に戻ってきて、 心臓がふくらみ次に送り出す血液をためている状態のときの血圧のことをいい、一般に「下の血圧」「 最低血圧」などと 呼びます。
収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜ Hg以上のとき、高血圧と診断されます。
また、収縮期血圧と拡張期血圧の差の脈圧は、40~ 60の間で収まっていれば正常値です。
これよりも大きな値であれば、 血管の弾力性が失われている可能性が高い状態といえます。
脈圧が大きいほど脳心血管疾患の発症率や死亡率は高くなります。
冬の血圧
先ほど記述したように、季節によっても血圧は変動します。
冬は寒さにより全身の血管が収縮するため、冬場は血圧が上がりやすくなります。
また寒さによる運動不足や塩分を多くとりがちになることも原因の 1つと考えられています。
冬は血圧が上がりやすくなることから、 心筋梗塞などの心臓の病気や脳梗塞、 脳出血などの脳の病気が多くなります。
高血圧の方では、 夏と冬の血圧差が10mmHg程度ある方が多いです。
朝、起床後の血圧が135/85mmHgを超える場合、 脳卒中のリスクが高くなることが報告されていますので、 高血圧の方は薬の服用の有無に関わらず、 朝の血圧測定を心がけて下さい。
朝、起床後の血圧が135/85mmHgを超える場合、
寒くなっても運動を心掛け、塩分の少ない食生活を心掛けましょう。