乗り物酔いについて|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

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医療コラム

乗り物酔いについて|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

乗り物酔いについて

こんにちは、院内薬剤師の藤井です。
皆様夏休みはいかがお過ごしですか?

 

この時期、車で遠くまで遊びに行く機会が多いかと思います。
今回は酔い止めについてお話ししたいと思います。

 

乗り物酔いはなぜ起こるのか

乗り物酔いは「動揺病」ともいわれ、車や電車、船などの乗り物の不規則な揺れや加速・減速の繰り返しによる三半規管などからの情報と、目や体から受けた情報との間にズレ(身体は動いていないのにもかかわらず、景色が揺れ動くなどのズレ)が生じることにより前庭小脳が混乱し、情報の整理・伝達が乱れることによって大脳が適切な判断を下せなくなることで乗り物酔いになります。

 

乗り物酔いの症状

めまいや生あくび、生つばなどの初期症状が現れます。
次第に、頭痛、顔面蒼白、吐き気、胃の不快感、冷や汗といった症状が出現します。
さらに症状が悪化すると嘔吐を引き起こします。

 

乗り物酔いの対症療法

・乗り物に乗る前に軽く食事をとる。

・可能な場合は乗り物から降りること

・スマホやゲーム、読書などは避ける。

・楽な姿勢をとったり、ベルトやボタンなどの締め付けを緩める。

・新鮮な空気を吸ったり、気分転換をする。

・音楽を聴いたりして緊張をほぐす。

 

乗り物酔いの薬

・クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、メクリジン、ジメンヒドリナート、マレイン酸フェニラミン

抗ヒスタミンと呼ばれるものです。

乗り物酔いにはヒスタミンが関与するため、抗ヒスタミン薬を服用することによって自律神経の働きを調整し、嘔吐中枢への刺激を抑える作用があります。さらにこれらの成分は眠気を催すため、寝てしまうことで乗り物酔いを回避するという手段もあります。

 

・スコポラミン

抗アセチルコリンといわれています。

自律神経が反射的に反応することを抑制し吐き気を軽減します。さらに、中枢性の作用により視覚と揺れの矛盾で生じる感覚の混乱を抑え、めまいを軽減します。

 

・アミノ安息香酸エチル

胃に直接作用します。

胃粘膜の麻酔作用により反射性の嘔吐を防ぎます。

 

薬の服用タイミング

乗り物酔いの予防には、乗り物に乗る30分から1時間前に服用するのが良いでしょう。

 

乗り物酔いの予防をして、薬の用法容量を正しく守り、楽しい夏休みをお過ごしください。