コロナ感染後の症状について
- 2022年8月3日
- コロナ感染について
また、コロナ感染の患者さんが増えてきました。
コロナ感染後のいろいろな症状で悩まれる患者さんも多いと思います。
コロナ感染後の症状は、どういうものがあるのでしょうか??
こちらは、コロナにかかった患者さんの、平均60日後の症状を示したグラフになります。最も多い症状は、「だるさ・倦怠感」で、次に「息苦しさ」、「関節痛」、「胸痛」、「咳」などが続きます。
JAMA. 2020;324(6):603-605
発症してから、半年が経っても、半分の方で何らかの症状が続いているという報告もあります。
なんで症状が続くのでしょうか??
・ウイルスに感染した組織、特に肺への直接的なダメージ
・免疫調節が上手にできなくなるため炎症が持続する
・虚血、凝固能亢進と血栓症による血管損傷 など、が挙げられています
どう対応したらよいのでしょうか??
呼吸器症状
呼吸器の症状として、息苦しさ、咳、痰などがあり、身体診察、採血、X線検査、呼吸機能検査などを行います。コロナ後の肺炎の影が数ヶ月にわたり残ることもありますので、注意が必要です。また、もともと、咳喘息などが隠れていた場合は、コロナの感染がきっかけで咳症状が出現し、続く可能性もありますので、しっかりと見極めて治療が必要になります。
循環器症状
動悸、胸痛、息苦しさなどの症状です。身体診察、採血、X線検査などを行います。X線検査で、明らかに心臓が大きい方、採血でBNP、NT-proBNPが有意に上昇している患者さんは、循環器の専門医に紹介する場合があります。
精神・神経症状
新型コロナウィルス感染症 診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメントより
上の図のような多彩な症状があります。
他のウィルス感染後でもみられる、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群などの症状と似ていることもあります。有効な治療に関しては、まだエビデンスが乏しい領域ですが、まずは緊急な対応が必要な脳の病気などが隠れていないか、身体診察でチェックします。また、心療内科的アプローチが役に立つケースもあります。
以上のように、考えているよりも多くの患者さんがコロナ感染後でも症状が残っています。
そして、その症状は非常に多岐に渡ります。呼吸器、心療内科の立場から、広く病態にアプローチし、適切な介入をさせていただけたらと思います。