咳喘息/気管支喘息
咳喘息/気管支喘息
秋山一男、谷口正実、赤澤 晃監修 専門医からのメッセージ、独立行政法人 環境再生保全機構発行より改変
気管支喘息は、気管支が狭くなってゼーゼー、ヒューヒュー音がして、息苦しくなる病気です。咳喘息は、息苦しくなるほどは気管支が狭くはならないけれど、気管支喘息と同様に軌道に炎症が生じ、知覚過敏となり、症状として「咳」が出る病気です。病態、治療などは気管支喘息とほぼ変わりません。
原因は、アレルギー素因などの体質に加え、ホコリ、ダニ、たばこ、ストレス、ペットの毛、大気汚染など、多岐にわたります。
喘息と聞くと、子供の時からの持病と思う方も多いですが、成人になってから発症する方の方が多いのです。
ある刺激に敏感に反応して、咳が止まらなかったり、呼吸が苦しくなることがあります。刺激となるものとして、花粉、ハウスダスト、ペットの毛やフケ、ダニ、たばこ、風邪、運動、天気、気圧の変化、大気汚染などが挙げられます。
当院では、気管支喘息の診断、管理に有用な以下の検査を導入し、気管支喘息の良好な管理を目指しています。
思いっきり息を吸い込んだ状態から一気に吐き切る検査です。気管支が狭くなっているかどうかを調べます。
吐く息に含まれるNO(一酸化窒素)の量を測ることで気道に起きている炎症の程度を調べます。
アレルギー検査などを行い、喘息の原因となる刺激物質を調べます。
肺炎、肺癌などを見逃していないか調べます。胸部CT:X線で影があったり、X線で見えないような影を精密検査できます。
喘息治療は、「症状が起こらないように毎日行う治療」と「症状や発作が起きた時に行う治療」の2つに分けられます。小学生以上の多くの方は基本治療として「吸入ステロイド薬」を使用します。喘息は「毎日治療を続ける」ことが大切です。喘息症状がない時でも、気道の炎症は続いており、風邪やハウスダストなど炎症を引き起こす刺激が加わると、再び症状が現れてしまいます。そのため、喘息は、「症状がある時だけではなく、毎日治療する」ことが大切です。また、様々な治療を行ってもなかなか改善しない難治性の喘息に対して、抗体薬の治療を行うことも可能です。
喘息の症状(炎症)をステロイド吸入薬にて適切にケアをしていかないと、気道の炎症が続いた状態が続いてしまいます。そして、咳、息苦しさなどの発作を繰り返すうちに、気道粘膜の破壊・修復が繰り返され、気道が狭くなり、薬がなかなか効かない喘息に移行していきます。これを「気道リモデリング」といいます。
ステロイド吸入などで気道の炎症が治まれば、刺激にも反応しにくくなり、喘息発作も起きにくくなります。
そのため、長期間根気強く治療し、炎症を抑えて発作も起きにくくすることが必要です。
呼吸器専門医としてのスキルと、小児科での経験を活かし、お子さんからご年配の方までの喘息で悩む方の力になりたいと考えています。
私の母親も喘息で、私自身も成人してから喘息を発症しました。風邪を引くと咳が長引くことが多く、タバコの臭いに敏感で咳の反応が強く出てしまいますので、その辛さはよくわかります。
当院では症状に応じて、適切な強さの薬剤をオーダーメイドで組み合わせることにより、最大の治療効果を発揮できるようにしております。その治療におけるオプションの多さが、当院の喘息治療で最も自負できる分野の一つです。
吸入薬は内服薬と比べて吸入方法が複雑であり、吸入方法を間違えると効果が期待できません。また、年齢によって異なる吸入方法の指導も重要です。当院・薬局では、吸入方法をスタッフが正確にレクチャーいたします。
吸入薬を始めとする治療法や病気に関する疑問点、不安点がございましたら、何でも結構ですのでお気軽にお聞きください!