その体の不調は鉄不足かも!!
- 2022年11月10日
- 内科
その体の不調は「かくれ貧血」=「鉄不足」かも!!
外来診療を行っていると、元気が出ない・・・だるくて・・・集中力がなくて・・・疲れやすくて・・・などの倦怠感を訴えられる女性が多い事に驚きます。あまりの倦怠感にうつと思い、心療内科を受診するケースも増えています。
もちろん、精神的な場合もありますが、フェリチンという鉄分をチェックすると鉄が不足していることがあります。
体内の鉄の60%~70%は血中のヘモグロビンの成分として含まれ、残りの20%~30%は肝臓や脾臓、骨髄などに貯蓄(貯蓄鉄)されています。鉄は食事で補給することができますが、不足してしまうと身体が貯蓄鉄を使って不足分を補おうとします。貯蓄鉄が不足していると貧血症状などを起こしてしまいます。 貯蔵鉄はフェリチンで評価します。フェリチンは一般に100ng/mL以上です。女性ではせめて50ng/mL以上が必要です。30ng/mL以下では著明な貧血症状が出ることがあり、ヘモグロビンが正常であれば隠れ貧血と言われます。
隠れ貧血は命に関わるほどではありませんが、放置すると鉄欠乏性貧血に移行して生活の質を著しく障害します。女性には、月経という月に1回定期的な出血がある為、貧血になりやすいと言えます。また、年齢やライフステージに伴って貧血になる原因も変化してきます。
鉄の補給には、レバー(豚・鶏)、卵黄、小松菜、しじみ、ホウレンソウなどが重要です。また、お薬として鉄剤を処方することも可能です。
鉄は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の合成に必要で、不安、イライラが起こりやすくなります。
体の不調で人知れず悩んでいる方は、ぜひ隠れ貧血のチェックを行うことをお勧めします。