その息苦しさは、慢性へいそく性肺疾患(COPD)のせい??
- 2022年11月30日
- 呼吸器内科
タバコを吸っている、または吸っていたことがあり、最近、階段を昇る時やながく歩いた時など息苦しい、長引く咳、痰などの症状はありませんか??
そのような呼吸器疾患の代表が「慢性閉そく性肺疾患(COPD)」です。
COPDは中高年の方に多く発症し、症状が徐々に進むので、息切れが強くなっても年のせいだと片付けてしまうケースが少なくありません。
また咳、痰も続くのですが、タバコを吸っている方は咳、痰に慣れてしまっている側面があり、この症状も仕方がないといってやり過ごしてしまう方が非常に多いのです。
日本にはおおよそ530万人の患者さんがいると推定されています。
しかし診断、治療をされているのはその中のわずか5%、26万人程度しかいません。
胸部レントゲン検査だけでは診断に至ることは難しいという側面があり、多くの患者さんが未発見の “隠れCOPD” と言われています。
COPDの早期発見と早期治療の重要性
COPDは動脈硬化のような心臓や血管の病気、糖尿病や骨粗鬆症など、うつ病など肺以外の様々な病気も誘発する可能性があります。
特に注意が必要なのは肺がんです。
COPD患者さんは健康な人の約10倍も肺がんを合併しやすいと言われています。
また、感染症にもかかりやすく重症化リスクも高くなります。
ですので、COPDを早期発見し、肺がんのスクリーニングを重点的に受けることで、肺がんの早期発見が可能です。また、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種にて感染予防を行うことが重要です。
ではCOPDを早期発見するにはどうしたら良いのでしょう。
まず、COPDの患者さんの自覚症状としては、慢性の咳や痰、労作時の呼吸困難があげられます。
COPDの原因の90%は喫煙であるため、喫煙歴のある患者さんで、このような症状があればCOPDが疑われます。
繰り返しますが、胸のレントゲン検査のみではCOPDかどうかは難しいことがあります。当院では、CT検査が可能ですので、CT検査にて肺が溶けている=スカスカな状態=肺気腫をしっかりと診断し、COPDかどうか判断できます。
「息切れ」などは高齢になると年のせいと思い見落としがちになってしまいますが、COPDが隠れていることがありますので、気になることがありましたら、いつでもご相談ください。