鉄と運動について|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

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医療コラム

鉄と運動について|秦野の内科と呼吸器内科 - 東海大学前駅クリニック

鉄と運動について

こんにちは。
院内薬剤師の藤井です。

最近早めに寝ても疲れが取れなかったり、鉄分が足りてないなぁと思う時があります。
実は鉄分って体力・運動や学習、美容など様々なことに関係しているんです。

今回は鉄と運動についてお話ししたいと思います。

 

鉄とは

鉄は人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内に約3~5g存在しています。

鉄分は赤血球のヘモグロビンに多く存在し、血流にのって酸素を全身に運びます。

ヘモグロビン内の鉄は酸素を運ぶだけではなく、酸素を使ったエネルギー代謝サイクルにも働いています。また呼吸やDNAの合成・修復、薬物や異物の代謝など、細胞内でのエネルギー代謝にも関係しています。

 

貧血とは

貧血とは、血液中の赤血球の中にある酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態を指します。ヘモグロビンは血流にのって酸素を体のすみずみまで運ぶ働きをしています。

そのため、ヘモグロビンの濃度が低下すると体の組織に十分な酸素を届けることができなくなり、めまい、立ち眩み、動機・息切れなど運動症状や、集中力の低下や記憶力、思考力の低下などの学習症状、イライラや不安やうつ症状などの精神症状など様々な不調が現れます。

 

 運動は貧血を引き起こす?

運動は貧血を引き起こすといわれています、ランニングなどの有酸素運動時は呼吸で酸素を必要とするのはもちろん、運動で体にかかる衝撃によって体内の赤血球が壊れやすく、日常生活より大量の鉄を消費しやすくなります。

さらに、大量に汗をかくことで水分とともに鉄分も排出されるため、汗をかけばそれだけ体内の鉄分が失われることで鉄欠乏性貧血になりやすいのです。

鉄分を十分に摂取しないまま運動やトレーニングを行っても、最大限のパフォーマンスアップの効果は期待できません。

鉄分は体内で合成できないため、食事やサプリメント、鉄剤などで摂取しなければなりません。

 

食事からの摂取

ヘム鉄(二価鉄)

肉や魚などの赤みに多く含まれます。ヘム鉄は人体への吸収率が10~30%と高いです。

ヘム鉄はヘムというたんぱく質に包まれた状態の鉄で、ほかの食事と一緒に摂取しても吸収を妨げられないという特徴があります。

多く含むもの
・牛、豚、鶏レバー
・マイワシ
・カツオ
・マグロ(赤身)
・あさり
・カキ

 

非ヘム鉄(三価鉄)

野菜や穀物、納豆や海藻類に多く含まれる非ヘム鉄があります。

非ヘム鉄は胃酸によって還元されてから腸内で吸収されます、ヘム鉄に比べると吸収率は5%と低いのですが、ビタミンC、クエン酸、たんぱく質などと一緒に摂取すると吸収率が上がります。
逆に、タンニンを多く含むような緑茶、コーヒー、紅茶は鉄の吸収を低下させるため、これらの飲み物は食事から2~3時間経過した後に飲むといいでしょう。

多く含むもの
・納豆
・ひじき
・小松菜
・ほうれん草
・豆腐
・豆乳

 

ヘム鉄も、非ヘム鉄も偏りなく摂取することが大切です。